「韓信匍匐」は1級四字熟語。「匍匐」は「蒲伏」とも。
「韓信の股くぐり」という句でも有名。意味は、
「大きな目的のために一時の屈辱にも怒りを押さえ恥を忍ぶこと。」
1.韓信、居候して飯を食わせてもらえず!
●書き下し文「淮陰(わいいん)侯韓信は、淮陰の人なり。
始め布衣(ふい)為りし時、貧しくして行い無く、推択されて吏と為ることを得ず。
又生を治め商賈(しょうこ)すること能わず、常に人に従いて食飲を寄す。
人多く之を厭う者(とき)は、常に数(しばしば)其の下郷の南昌の亭長に従い寄食す。
数月にして亭長の妻之を患え、乃ち晨(あした)に炊(かし)ぎては蓐(しとね)に食す。
食事に信往くも、為に食を具えず。信も亦其の意を知り、怒り竟(つい)に絶去す。」
(訳)
「後に淮陰侯となった韓信は、もともと淮陰出身の人である。当初一平民だった頃には、貧しくて品行が悪かったために、役人に推挙してもらえなかった。
また、商売をして生計を立てることもできず、いつも人に食べさせてもらっていた。
人々が皆韓信を嫌がった時は、淮陰の下郷の南昌の亭長のところに居候することがしばしばだった。
数か月すると、亭長の妻も韓信をめんどうがって、朝食の用意をすると、寝床で食事をするようになった。
食事時に韓信が行っても、食事を用意しなかった。
韓信の方でも亭長の妻の考えがわかって、腹を立てて出て行った。」
【布衣】(フイ) 官位のない人。庶民のこと。
【商賈】(ショウコ) 商人。あきんど。▽「商」は、行商。「賈」は、店を構えてする商売。『商估(ショウコ)』⇒若き韓信は、今の若者とあまり変わりないではないか。それにしても、亭長の妻は寝床で食事をするという、何とも根性の悪いものである。やがて韓信が偉くなって帰った時、この亭長にはどう対処したか・・・それは後で。