2011年4月25日月曜日

【六花30号】漢字問答

「六花」は同好会機関紙の名前です。「雪の異称」(広辞苑)の意味です。
新潟にピッタリのイメージだと思います。
六花発行は年4回(3、6、9、12月)で現在は46号までです。
今回は30号(2006年12月)の紙面から紹介します。

「漢字問答」 (I.Sさん)
 中学二年の息子が十月に漢検準二級の学校受験をした。合格したら次は二級を目指すらしい。一方、漢字パズル雑誌にも夢中で、最近は漢字に興味を持ってきたようだ。

「父ちゃん、これ読めるか?」
「何でも出してみろ。」(自信満々。)
「では、『 陵 』は?」
「陵? えーと・・・何だっけ。」
「答えは『みささぎ』だよ。へっへー。」
「ああ、天皇の墓だったな。」
「じゃ次は、『 錘 』は?」
「何じゃー、さっぱりわからんぞ。スイじゃダメか?」(※スイは音読み。)
「答えは、『 つむ 』だよ。この二問は父ちゃんの二級問題集で、バツがついてたんだよ。」(がっくり。)
 何と以前間違えた所をまた間違えたというわけ。人間の記憶と言うものはどうやらこんなものらしい。
 そこで息子へのスーパーアドバイスとして、「いいか、問題集には直接答えを書き込め。全部終わったら、間違えたところをもう一度やるんだぞ!」と、自分の反省を逆に言い聞かせたのであった。
「父ちゃん、次の問題!」
「よし来い。」
「まず、『 現 』は?」
「『 げん 』だけど『 うつつ 』か?」
「正解。じゃ次は『 現世 』。」
「そりゃ、『 げんせ 』だろ。」
「はずれだよ、それもあるけど『 うつしよ 』が正解。」(うっ、ずるい。)
「次、『 現身 』は?」
「また現の字か。『 うつつみ 』か?」
「ブー、『 うつしみ 』だよ。」(頭が混乱し始める。)
「次、『 現人 』は?」
「しつこい奴だな。『 うつしびと 』でどうだ?」
「ハズレ、『 うつせみ 』または『 うつそみ 』が正解。ダメだなあ。」
(完全に頭が混乱してしまった。)

「では父ちゃんに、難しい問題。『柿落し 』はどう読む?」
「ほっほっほ、『 こけらおとし 』だろ?」(自信を持って返答)
「うっ、よくわかったな。」
「おい、柿(かき)と柿(こけら)は違う字なんだぞ。知っとるか?」
「ウソ!同じだろ。」
(ここで大型の漢語林を引っ張り出す。)
「ほら別字と書いてある。柿(こけら)の市は真ん中の棒が一直線なんだぞ。(ここで親の威厳を示す。) まあ、頑張って勉強せいよ。」
 ある日の父子の漢字問答であった。(了)

※この息子はこの2年後の高校1年で漢検1級を取り、現在は大学生となっている。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

コメント投稿のテストです。つい先ほど、コメント投稿の設定が限定された者になっていたのに気付いて直しました。Dogu

たま さんのコメント...

「みささぎ」 は読めませんでした。

それにしても高一で漢検一級はすごいですね。