2012年2月4日土曜日

【過去問】H21-3 音読み19-20

今日は勉強です。

19.【鳧脛】短しといえども之をつがば則ち憂えん。
⇒【フケイ】=カモの足。出題文の出典は荘子から。
[鳧脛雖短続(續)之則憂]
(かものはぎみじかしといえどもこれをつがばすなわちうれえん)
(意味)カモの足が短いからといって、これをつぎ足して長くしてやれば、カモはかえって困ってしまう。天地自然の物には、それぞれ、それにふさわしい特色があるのだから、むやみに、それを増減したり、改めたりせず、本来の状態に安んじているべきだというたとえ。
「鶴脛雖長断之則悲(カクケイながしといえどもこれをたたばすなわちかなしまん)」とも。
「鳧脛雖短、続之則憂、鶴脛雖長、断之則悲=鳧(かも)の脛(はぎ)短しと雖(いえど)も、之(これ)を続(つ)がば則(すなわ)ち憂へん、鶴の脛長しと雖も、之を断たば則ち悲しまん

「鳧」の読みは、「フ、かも、けり」。他の熟語は、
[飛鳧]ヒフ 空をとぶ水鳥。
[鳧鴨]フオウ カモやアヒル。また、水に浮かんでいる水鳥の総称。
[鳧舟]フシュウ [鳧船(フセン)・鳧舫(フボウ)]カモの形をした舟。また、カモの形を彫りつけた舟。
[鳧藻]フソウ 喜んで、はしゃぎまわること。騒ぐこと。※この「藻」は、噪(ソウ)・騒と同じ。
「鳧(けり)をつける」はよく使う言葉。「けり」は、「物事の結着。きまり。過去の助動詞「けり」に当てて用いられる」。

「脛」の読みは、「ケイ、すね、はぎ」。他の熟語、言葉は、
[脛脛]ケイケイ 正直なさま。まっすぐなさま。
[脛巾]はばき 脚半(キャハン)。すねあて。

[臑脛の延びた奴](すねはぎののびたやつ) いたずらに背丈ばかり高く、物の用に立たない者をののしっていう語。
[長者の脛に味噌をぬる](ちょうじゃのはぎにみそをぬる) あり余った上にさらに物を加える。
[脛に疵持てば笹原走る](すねにきずもてばささはらはしる) 心にやましいところのある者は、ちょっとしたことにもおびえ、世の中をこそこそと生きていかなければならないというたとえ。※うしろ暗いところのある者は、風にさやさやと鳴る笹の葉音にもおびえて走り出す意から。
[鶴の脛も切るべからず](つるのはぎもきるべからず) ものにはそれぞれ固有の性質があるから、それを無視してむりに変えようとしてはならないということ。※「脛」はすねのこと。長すぎるように思える鶴のすねも、鶴にとって必要な長さなので切ってはならないの意から。「鴨(かも)の足も継ぐべからず、鶴の脛も切るべからず」と続けてもいう。

20.【杙】を以て楹と為す。
⇒【ヨク】 小さいくいを家の太い柱とする。つまらぬ人間を重く用いることのたとえ。
四字熟語では、
【以杙為楹】(いよくいえい) 小さなくいを大黒柱に用いる。つまらぬ人物を誤って重く用いることのたとえ。※「杙」は牛や馬をつなぐ、くい。「楹」は丸く太い柱。「杙(よく)を以(もっ)て楹(えい)を為(な)す」が書き下し文。
「杙」の読みは、「ヨク、くい」。

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