2011年11月13日日曜日

【論語】一日之長(いちじつのちょう)

論語の四字熟語からです。ちなみに「論語」とは(再認識のために)、
ろんご【論語】
「四書の一。孔子の言行、孔子と弟子・時人らとの問答、弟子たち同士の問答などを集録した書。20編。学而篇より尭曰篇に至る。弟子たちの記録したものに始まり、漢代に集大成。孔子研究の基本資料。孔子の理想的道徳「仁」の意義、政治・教育などの意見を述べている。日本には応神天皇の時に百済より伝来したと伝えられる。」(広辞苑)


⇒日本書紀では応神天皇16年(西暦400年頃か?)百済の王仁(わに)が来朝し、「論語」10巻、「千字文」1巻をもたらしたという。内容は20編、約500章。各章は短いものが多いです。

今日は「一日之長」(いちじつのちょう)
[意味]一日先に生まれたこと。年齢がわずかに多い意から、知識・技能・経験などが人よりいくらか勝っていること。

[注記]出典の「吾(わ)が一日も爾(なんじ)より長じたるを以(もっ)て、吾れを以てすることなかれ」による。「一日」は「いちにち」とも読む。
[出典]論語 先進11-26

[原文] 子路曾皙冉有公西華、侍坐。子曰、以吾一日長乎爾、無吾以也。
[書き下し文] 子路(しろ)、曾皙(そうせき)、冉有(ぜんゆう)、公西華(こうせいか)、侍坐す。
 子の曰わく、吾が一日も爾(なんじ)より長じたるを以て、吾れを以てすること無かれ。
[訳] 子路と曾皙と冉有と公西華とがおそばにいた。先生が言われた、「私がお前達より少し年上だからといって、遠慮をするな。

熟語→[侍坐]ジザ 身分の高い人のそば近くにすわる。

⇒これに続いて、各弟子たちがこれからの抱負を述べる場面があるのだが、結構長いので省略します。この章は論語第一の長文と言われています。
 その内容は、子路、冉有、公西華の3人は国を治める関係の抱負だったが、曾皙だけは異なり、「春の終わりごろ、春着もすっかり整うと、五六人の青年と六七人の少年をともなって、沂水(きすい)で湯浴みをし雨乞いに舞う台のあたりで涼みをして、歌いながら帰って参りましょう。」と言い、孔子もこれに賛成したというもの。
 貝塚博士は、孔子は道徳堅固な厳粛主義者のようにとられているが、人生の目的は幸福を求めることにあるとしたのであり、孔子の道徳はこのような幸福論によって基礎づけられていたと言っている。

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