2011年10月15日土曜日

韓信匍匐(かんしんほふく) 3/3

今日は、韓信にまつわる青年時代の3つのエピソードの3つ目である。
まさに標題の四字熟語の場面である。出典は史記(淮陰侯列伝第32)より。

3.韓信、相手を見据え、股をくぐる!
●書き下し文
淮陰の屠中の少年に、信を侮る者有り、曰く、若(なんじ)長大にして好みて刀剣を帯ぶと雖も、中情は怯なるのみ、と。衆に之を辱めて曰く、信能く死せば我を刺せ、死することを能わずば、我が袴下より出でよ、と。
是に於て信、之を熟視し、俛()して袴下より出でて蒲伏(ほふく)す。一市の人皆信を笑いて以て怯と為す。」
(訳)
淮陰の屠殺業仲間の若者に、韓信をあなどる者がいて言うには、「お前は体格がよく、いつも刀剣を身に付けているが、心の中はびくびくしているにきまっている」と。更に衆人の中で侮辱して言った、「韓信、死ぬ気で俺を刺してみろ。死ぬ気になれないなら俺の胯下をくぐれ」と。
そこで韓信はこの若者をじっと見つめたかと思うと、俛(ふせ)って胯下からはいつくばって出た。街中の人々は韓信を笑って、臆病者だとした。

⇒この文章から「韓信匍匐」や「韓信の股くぐり」の言葉が生まれた。さて韓信は、偉くなって帰った時、この侮辱的な扱いを受けた若者に対してどう対処したか・・・それはこの次に。

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