昨夜から雪になりました。雪に因んだ日本の漢詩です。
「雪は笠檐に灑ぎ 風は袂を巻く
呱呱 乳を索む 若為の情ぞ」
(読み)ゆきはりゅうえんにそそぎ かぜはたもとをまく
ここ ちちをもとむ いかんのじょうぞ
(意味)雪は常盤(ときわ)(源義朝の妾)の編笠のひさしに降りそそぎ、風はそのたもとを巻き上げて吹きつける。
乳をほしがって、しきりに泣くわが子の声、それを聞く常盤の心中はどうであったろう。
(出典)江戸、梁川星巌(やながわせいがん)の漢詩から。
常盤は常盤御前のこと。
「平安末期の女性。もと近衛天皇の皇后九条院の雑仕。源義朝に嫁し、今若・乙若・牛若を生む。平治の乱に義朝敗死後、大和に隠れたが、六波羅に自訴、子供の命乞いのため平清盛になびき、のち藤原長成に再嫁した。常盤御前。生没年未詳。」(広辞苑)
雪の中、胸には牛若を抱きかかえ大和へ逃れる常盤を詠ったもの。
熟語は、
[笠檐]リュウエン かさのひさし。
「檐」の読みは、「エン、タン、のき」。のき、ひさしの意。
今朝はここまで。
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