2011年7月8日金曜日

【論語12-7】信無くんば立たず

前回「信無くんば立たず」を持ち出したので、これを論語に見てみよう。(岩波文庫の金谷先生の訳)

●子貢、政を問う。子の曰わく、食を足し兵を足し、民をしてこれを信ぜしむ。子貢が曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯の三者に於いて何(いず)れをか先きにせん。曰わく、兵を去らん。曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて何れをか先きにせん。曰わく、食を去らん。古(いにし)えより皆な死あり、民は信なくんば立たず

●子貢が政治のことをおたずねした。先生はいわれた、「食料を十分にし軍備を十分にして、人民には信を持たせることだ。」子貢が「どうしてもやむをえずに捨てるなら、この三つの中でどれを先きにしますか。」というと、先生は「軍備を捨てる。」といわれた。「どうしてもやむをえずに捨てるなら、あと二つの中でどれを先きにしますか。」と言うと、「食料を捨てる[食料がなければ人は死ぬが、]昔からだれにも死はある。人民は信がなければ安定しない。」と言われた。

孔子は弟子の子貢に対して、政治の要諦は、食料と軍備と信義の3つであると教えた。そして、最後まで残る最も大事なものが信義であるという。
その当時の時代背景を併せ考えても、この言葉はなかなか言えない言葉と思う。
※写真は小泉純一郎揮毫(印刷だが)の扇子です。

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