2011年7月11日月曜日

【過去問】H23-1音読み5-7

今日は勉強です。辞書は漢字源。

【貘】の絵を描いてお守りにする。
⇒【バク】=想像上の動物。銅・鉄を食い、また、人の悪夢を食うという。

・注文と【涓埃】も違わぬ出来である。
⇒【ケンアイ】=物事のほんのわずかなことのたとえ。
「涓」の読みは「ケン、しずく」。他の熟語は、
【涓涓】(ケンケン ) 水がちょろちょろと流れるさま。「泉涓涓而始流=泉ハ涓涓トシテ始メテ流ル」〔陶潜〕
【涓流】(ケンリュウ ) 小さい流れ。細流。
【涓滴】(ケンテキ ) したたり。しずく。「重露成涓滴=重露涓滴ヲ成ス」〔杜甫〕
【涓潔】(ケンケツ ) 清くてさっぱりしている。

・深窓に育って【笄年】に及んだ。
⇒【ケイネン】=〈故事〉はじめて笄(コウガイ)をさす年。女の十五歳のこと。
「笄」の読みは「ケイ、こうがい」。「昔、女は十五歳になると婚約者をきめ、髪に笄をさし、字(アザナ)をつけた。婚約しないときは二十歳になってからこの成年式を行う」のだそうだ。他の熟語は、
【笄冠】(ケイカン ) 笄(コウガイ)と冠。男女ともに成人の礼をあげること。
【及笄】(キュウケイ) 〈故事〉女が笄(コウガイ)(かんざし)をする年齢(十五歳)になる。
【冠笄】(カンケイ ) 男女の成人式。男は二十歳で元服して冠をつけ、女は十五歳で笄(コウガイ)をさす礼。〔礼記〕
【加笄】(カケイ) 〈故事〉女子の十五歳のこと。また、二十歳のこと。▽女子は十五歳になると許嫁(キョカ)(結婚の約束)をして笄(コウガイ)をさすことから女子の十五歳をいう。また、許嫁しなくても、二十歳になると笄をさしたから、女子の二十歳をもいう。

今日の問題は何とか読めました。ところで「笄年」のついでに「元服」を日本国語辞典で調べてみると、

げん‐ぶく 【元服】(現代は多く「げんぷく」。「元」は頭(かしら)・首(こうべ)、「服」は身につけることの意)
①古代中国の風習を模して行なわれた男子成人の儀式。年齢は一定しないが、平安時代以降では一二歳頃から一五、六歳までの間に行なわれる場合が多い。公家では、子どもの髪型である総角(あげまき)をやめて初めて冠(かんむり)をかぶり、児童の服の闕腋(けってき)から大人の服の縫腋(ほうえき)に変え、幼名を改め、貴人が理髪と加冠の役に当たった。武家では、冠の代わりに烏帽子(えぼし)が用いられ、「烏帽子始め」の儀を行ない、加冠役を「烏帽子親」、冠者を「烏帽子子」といい、その儀式は公家の場合に準ずる。室町中期以後、貴人の他は略式となり、前髪、月代(さかやき)をそり落とし、服の袖留めをするだけになった。のち、この風は庶民にも及んだ。初冠(ういこうぶり)。初元結(はつもとゆい)。
②女子成人の儀式。一二、三歳から一六歳頃までに行なわれ、初めは「髪上げ」の儀だけが行なわれたが、それに「裳着(もぎ)」が加わり、貴人や親戚の長者が裳(も)の腰紐を結ぶ役をつとめた。江戸時代では、服装の変化により、袖留めの式に変わった。
③江戸時代、結婚した女性が、眉をそり、お歯黒をし、髪型を丸髷(まるまげ)にかえることをいう。お歯黒だけをつけるのを半元服、眉までそるのを本元服というが、本元服は、懐妊または分娩の後に行なうのをふつうとする。

へえー、もとは「げんぶく」と濁音だったんだ!しかも中国の風習を真似ている!年齢は日本の方が早いのかな。
とにかく中国の影響はやはり大きいことを再認識した。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

設問では豸(むじな)偏の「貘」を使っています。
犭偏ではないところが、いかにも協会の出しそうな漢字だと思います。

Dogu さんのコメント...

うっかりとして簡単な「獏」を表示してしまいました。出題に忠実に「貘」に訂正しました。
ご指摘ありがとうございました。