2011年9月24日土曜日

【過去問】H22-1 音読み6-10

昨日の学習会は充実した内容でした。この内容紹介は近いうちにしたいと思います。
今日は勉強です。

【鎖鑰】を施した蔵に賊が侵入した。
⇒【サヤク】=錠(じよう)と鍵(かぎ)。とざし。とじまり。
「鑰」の読みは、「ヤク、かぎ」。他の熟語は、
【鑰牡】(ヤクボウ ) かぎ。▽「牡」は、中につきこむかぎ。『鑰匙(ヤクシ)
【鍵鑰】(ケンヤク ) 筒型のじょうまえ。

・資本の流通に【壅塞】を来した。
⇒【ヨウソク】=ふさぐこと。また、ふさがること。
「壅」の読みは、「ヨウ、ふさ‐ぐ」。他の熟語は、
【壅遏】(ヨウアツ ) 行動をさえぎりとどめる。わく内に押しこめる。
【壅蔽】(ヨウヘイ )=壅敝。 わく内に押しこめて、外と隔てる。君主の耳をふさいで善言や真実を聞かせない。また、君主のそのような態度

・予々その【佼黠】が知れ渡っていた。
⇒【コウカツ】=悪がしこい。
「予々」は「かねがね」。「佼」の読みは、「コウ、うつく‐しい」。「黠」の読みは「カツ、わるがしこ‐い、さか‐しい」。「黠」の熟語は、
【黠智】(カッチ ) 悪がしこい知恵。悪知恵。
【黠獪】(カッカイ ) 悪がしこい。ずるい。〈類義語〉狡獪(コウカイ)
【傑黠】(ケッカツ )=桀黠。 わる賢いこと。

・民衆の間から【懽呼】の声があがった。
⇒【カンコ】=歓呼。 よろこんで声をあげること。
「懽」の読みは、「カン、よろこ‐ぶ」。

【左袵】蟹文の風を蔑んだ。
⇒【サジン】=左衽。衣服をひだりまえに着ること。中国では右衽を中華の風とし、左衽を夷狄の習俗であるとした。
「袵」の読みは、「ジン、ニン、おくみ、えり」。

「蟹文」は「かいぶん」と読み、意味と用例は、日本国語大辞典では、
「かいこうぶん(蟹行文)」に同じ。
*近世紀聞〔1875~81〕〈条野有人〉「左袵蟹文(カイブン)の風を学び夷邦の管轄となるに至らば」
⇒「蟹行文」は「横書きの文章、欧米の文章、書物。蟹文(かいぶん)。」(日本国語大辞典)のことだそうです。なるほど、蟹の横歩きからできた言葉のようで面白い表現だ。これからは横書きの文章を「蟹行文」と呼ぶことにしようか。

2 件のコメント:

SOS さんのコメント...

こんにちは、たびたびお邪魔します。

「左袵」蟹文の風を蔑んだ。
我が国でも、幕末から明治維新にかけての、
急激な欧米文化の流入に抵抗して、欧米人そのものを
「左袵」と呼んで蔑む風潮が見られたようです。
また論語の中でも、
「管仲 微(な)かりせば、吾それ髪を被り袵を左にせん。」
(もし管仲がいなかつたら、我々は蛮族の風俗を強要
されていたかもしれない。)     「論語・憲問篇」

中国・漢代は、右を尊び、左を卑しいとされていたようで、
左袵(左帯とも)をはじめとして、
左言=道理に反した言葉。 左道=正しくない道。邪道
左遷(左降)=官職を下げ移す。(左黜さちゅつ)
左戚右賢(させきゆうけん)=親戚(身内)を低い地位に置き、
     賢者を高い地位に置くこと。
など、沢山の言葉がありますね。
それではまた!

Dogu さんのコメント...

コメントありがとうございます。
昔の中国では、右を尊び、左を卑しいとされていたことから、
「左遷(左降)」と言う言葉も生まれたようですね。
現代では当たり前に使われている言葉の多くに、いわれがあることを知るのは「自分再発見」のような感じがします。
いろいろ参考になりました。